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長湯温泉Ⅰ温泉水 大分県の天然記念物 地質鉱物

●名称
長湯温泉Ⅰ(温泉水)
●所在地
竹田市直入町長湯
● 目標物からの方位・距離
竹田市立直入小学校周辺。
● 地形図幅名
国土地理院2.5万分の1 「朝地」「久住」

温泉水の概説

芹川を中心として、自噴するマグネシウム、ナトリウム炭酸水素塩泉である。
マグネシウム、炭酸成分が多いことが特徴である。

● 詳細説明
芹川の直入小学校周辺の川床、川岸を観察すると、川床が茶色に染まった所や気泡が噴出している所がある。これは温泉が自然湧出しているものである。この川を中心に50軒に及ぶ温泉旅館、民宿他がある。

長湯温泉「がに湯」芹川の中にある露天風

自然湧出する温泉芹川川床
阿蘇4火砕流堆積物の亀裂から湧出

この温泉水は、九重火山の大船山南東斜面標高870m~1230m を主涵養域とする地下水が、地下深部まで浸透し、標高200m から400m 付近を久住町塔原付近から直入町新田方向に流動し、断層を通って上昇してきた熱水と混合しながら、さらに流動を続け、基盤岩の高まりとともに上昇し、大分-熊本構造線にぶつかり、地表に湧出したものである。
この温泉の泉温は昭和26年当時は平均37.8℃であり、遊離炭酸を多量に含んでいたが、その後ボウリングで平均44.5℃と上昇したため、炭酸水素塩泉となっている。しかし、湧出口の炭酸成分濃度は非常に高い。さらに、マグネシウム成分がカルシウム成分よりも多く含まれていることも大きな特徴である。

自噴する民宿「郷の湯」の源泉
湧出口では1800mg/l の遊離二酸化炭素を含む

温泉水の現況

湧出口、泉温は昭和26年11月、37.8℃、平成3年3月、44.5℃と変化している。
● 文化財としての指定状況
未指定
● 自然公園としての規制
神角寺芹川県立自然公園区域
●ランク
Ⅲ(大分県を代表する)
*長湯温泉としてⅣ 日本を代表する

●参考文献等
西日本技術開発株式会社(1997):長湯温泉賦存量調査報告書,大分県直入町
●記入者
工藤幸久・高石光治

出典:大分県の天然記念物(地質鉱物)
天然記念物緊急調査(地質鉱物)報告書
2010 大分県教育委員会